商談後にやるべきこと・失注したときの考え方
前々回、前回にわたり「商談前」「商談時」にやるべきこと、気を付けることについてお話ししてきました。
当然ですが商談はいつまでも続くわけではなく、どこかで終わりが来ます。
商談後に
「少し検討させてください」
と言われてそのまま連絡を取っても返答がない状態になることもありますし、
「今回は検討した結果見送ることとさせていただきました」
「同業他社の〇〇会社へ依頼することに決まりました」
と悔しい結果に終わることもあるでしょう。
BtoB×無形商材の場合、成約する商談よりも失注する商談が多いものです。
でも、しばらく時間が経って再度検討することがあれば、その際の成約率は非常に高くなります。
商談が一旦終わったとしても、今後につなげていくためにやれることはたくさんあります。
そこで今回は、商談後にやるべきことや失注したときの考え方についてお話しします。
失注をそのまま終わらせない
失注が決定的となれば、落ち込んでしまうかもしれません。
商談を何度か実施していて、その都度社内で議論を重ねながら成約を目指していたものが失注となってしまえば、その気持ちも当然です。
でも、落胆して終わるだけではなく、なぜ失注となったのかについては記録しておきましょう。
失注はそのまま終わってしまえば失注ですが、理由を聞いて、その後失注理由をつぶしていくことで成約率向上につながっていくものです。
少し感情論になってしまいますが、失注を失注で終わらせないという気持ちこそがその先につながっていくのです。
例えば、失注理由を聞いた際に「他社に比べて実績が少ないなと感じてしまってね…」という返答が返ってきたらどう感じるでしょうか?
もちろん、「いえいえ、うちも実績はたくさんありますし、実際に…」と返答したくなる気持ちはわかります。
でも、大切なことは他社に比べて実績が少ないと感じられてしまったという事実です。
他社と自社、実際にどちらに実績があるかという事実よりも、自社の実績がしっかりと伝えられていないという状態を解決することが大切です。
落胆している暇はありません。
小冊子をつくったり動画をつくったりと、実績が伝わるような施策に取り組めば結果は変わるかもしれません。
すべては失注を失注で終わらせないという気持ち一つから、失注を減らす施策が始まるのです。
たまたまタイミングが合わなかっただけと考える
実は、失注理由として多いのが、タイミングの問題です。
意思決定者は取捨選択をしなければなりません。
良いものは何でもやりたいと考えるのが普通ですが、予算や優先順位の都合上でどうしても“やりたいけどできない”という施策はあるものです。
そして、あなたの提案はひょっとするとそこに分類されてしまった可能性があります。
そのため、失注したからといってそこで諦めるのではなく、別のタイミングで再アプローチすることを考える必要があります。
例えば、担当者はやりたいと感じていたものの、予算がないという理由で採用に至らなかったとします。
この場合、大きな利益が出た決算期のタイミングであれば採用につながる可能性がありますので、決算の数か月前に再度アプローチをすることを検討してみるのもいいかもしれません。
商談が進んでいたにもかかわらず失注となってしまった場合には、違うタイミングに再度アプローチをすることによって今度は成約につながる可能性があります。
何度も言いますが、一度失注になったにもかかわらず、その後再度検討が始まった場合には成約率が高いのです。
一旦、相見積もりで負けて他社サービスを採用することになってしまったとしても、その後、採用した他社サービスに不満を感じて乗り換えを検討している場合もあります。
また、一旦別の施策を優先したとしても、その施策がうまくいって利益が出て、さらに他の施策の導入にも前向きとなっている可能性もあります。
タイミングがたまたま合わなくて失注した場合、別のタイミングを見計らうのがベストの選択となるはずです。
こうなってくると、タイミングが合わないという理由での失注は、失注ではなくむしろ見込み度の高い継続アプローチ案件と言えるのではないでしょうか。
良好な関係を築いて、時折キャンペーンを実施してみよう
失注後はどのようなアプローチを実施しているでしょうか?
こう尋ねると意外にも、「特に何もしていない」という答えが返ってくることが多いものです。
〇月頃であれば検討できる可能性がありますと言われていれば、そのタイミングで再度アプローチをすることがある程度で、実際、失注後はあまり接触しないようにしているケースも多いようです。
でも、良好な関係を続けることができれば“その時”が来たときに選ばれる存在になっている可能性が高いです。
では、どうやって関係を構築すればいいかについてですが、私はメルマガをはじめとした情報発信とキャンペーンの実施が効果的であると考えています。
それぞれ簡単に見ていきましょう。
情報発信
メルマガは労力こそかかりますが、費用が安く、企業名や氏名を何度も見ているうちに親近感を抱いてもらえるといった効果(ザイオンス効果)が期待できます。
また、商談前の興味やニーズを喚起するための動画をつくったらそれをメルマガで送ったり、小冊子や本をつくったら郵送で送るというのも一手でしょう。
キャンペーンの実施
過去に商談を何度か実施していれば、その企業に対して悪い印象を持っているわけではないと思います。
そのため、新しいサービスが出た際にはキャンペーンを実施して、キャンペーン価格にて案内するという施策も良いでしょう。
実際のサービスリリース前にキャンペーンの案内をもらえれば、特別扱いをしてもらえているという気持ちにもつながりますし、そのキャンペーンに申し込んでもらって満足感を感じてもらうことができれば、本来導入してもらいたかったサービスを再度検討してもらえることになるかもしれません。
まとめ
今回は、商談後にやるべきことや失注した場合の考え方についてお話ししました。
- 失注を失注のままで終わらせない
- タイミングの問題もあることを頭に入れておく
- 良好な関係構築に努める
- メルマガ配信やキャンペーン実施で親近感を持ってもらう
商談が一旦終了となっても、それでアプローチを終えることはあまりにももったいないと感じていただけたでしょうか?
昨今はウェブセミナーを定期的に開催してナーチャリングを実施しつつ再商談につなげている企業も多くあります。
特に一度商談を実施して検討に至った企業は、宝の山とも言えますし、大切にすべき見込み客です。
最初に検討してもらったサービスでは導入に至らなくても、長期的な視野で見ると、将来大きな取引をする関係になるかもしれません。
商談後は、失注を失注で終わらせないという気持ちを持って長期の良好な関係づくりを目指していきましょう!
投稿者プロフィール
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セールスプロセス株式会社代表取締役
新卒でみずほインベスターズ証券株式会社(現みずほ証券)に入社。
個人・法人営業に従事し、社長賞を獲得。
退社後、企業専門の出版社を設立して代表取締役に就任。
本をはじめとした出版物でB2B×無形商材を扱う企業の売上アップを支援する、コンサルティング型出版サービスで組織を拡大。
その後、培ってきた営業ノウハウと効果的な営業ツール製作の実績を活かして、『売れる仕組み』の構築を支援するセールスプロセス株式会社を創業。
1985年3月27日生まれ。愛知県名古屋市出身。趣味は野球観戦。
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