BtoBテストマーケティングとは?成果が出る企業が必ずやっている「3つの検証」

BtoCでは当たり前に使われているテストマーケティングという言葉ですが、BtoBにおいてはあまり使われていません。
BtoB事業の場合は、仮説を基に営業活動を開始することが多く、テストマーケティングを行うという意識が一般的ではないのです。
でも私たちは、BtoB事業こそテストマーケティングを実施することによって新規事業の早期黒字化を実現できると考えています。
今回の記事では、BtoB事業におけるプッシュ型のテストマーケティングのやり方について、私たちのノウハウを基に解説していきます。

 

営業がうまくいかないのは「営業力の問題」ではない

営業しても反応がない。
マーケティングに投資しても成果が出ない。
営業代行に依頼したけど売上につながらない。

こうした悩みを抱えている企業は非常に多いです。
ただ、ここで多くの経営者が見落としている事実があります。
それは、営業がうまくいかない原因の多くが「営業力」にはないということです。

では、本当の原因は何でしょうか?
シンプルに言えば、「検証していないこと」と考えています。

どの業界に売るべきか。(ターゲット)
どんな伝え方が刺さるのか。(訴求)
どんなきっかけを用意すれば相手は動いてくれるのか。(オファー)
こうしたことを検証せずに営業を始めてしまう企業がとても多いのです。

検証しないまま営業すると、どうなるかというと、「たまたま当たる」か「ほとんど外れる」かのギャンブルのような営業になってしまいます。
これでは、毎月の売上が安定しないのも無理はありません。

実は、営業が得意な会社でも同じ状況になっていることが多いです。
営業力がある社員が辞めたら売上が落ちる。
そんな「属人的な営業」に悩んでいる経営者の方も多いのではないでしょうか。

そこで重要になるのが、今回お伝えする「BtoBテストマーケティング」という考え方です。

 

BtoBテストマーケティングとは何か

BtoBテストマーケティングとは、プッシュ型の営業活動を通じて「売れるパターン」を検証して見つけるプロセスのことです。

単なるマーケティング施策ではありません。
「どの業界にアプローチするか」
「どんな伝え方をするか」
「どんなきっかけを提示するか」
といった要素を、実際の営業活動の中でテストしていくのがポイントです。

そして、テストを繰り返すことで、最も成果が出る組み合わせを見つけていきます。

イメージとしては、いくつかのパターンを小さく試して、うまくいったものに集中していくという感じです。
仮説を基に最初から大量にアプローチしていくのではなく、まずは少数で試して手応えを確かめる。
そして、その結果をもとに営業の方向性を決めていく流れが、BtoBテストマーケティングの基本的な進め方です。

なぜ今、こうした考え方が必要なのでしょうか。
BtoB営業は、一般消費者向けのBtoC営業とは性質が大きく異なります。
ターゲットとなる企業が限られていますし、意思決定にも時間がかかります。
商材やサービスの内容も複雑なことが多いです。

つまり、「なんとなくこの業界に売れそうだな」という感覚だけで営業しても、なかなか成果にはつながりません。

にもかかわらず、多くの企業は過去の経験や感覚、あるいは思い込みに頼って営業を行っています。
その結果、再現性のない営業になってしまうのです。

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BtoB営業が失敗する3つの理由

多くの企業が営業に失敗する理由は、驚くほど共通しており、大きく分けると3つの原因に集約されます。

1つ目は、ターゲットとなる業界がズレていることです。
「この業界であれば売れるはず」と思って営業しても、実際にはまったく反応が取れないことは珍しくありません。
逆に、想定していなかった業界から反応が返ってくることもあります。

自分たちが「ここだ」と思い込んでいる業界と、実際に反応が取れる業界は一致しないことが多いのです。

2つ目は、訴求がズレていることです。
同じサービスでも、機能を強調するのか、導入後の成果を強調するのか、課題解決を訴えるのかで、相手の反応は大きく変わります。

たとえば、コンテンツマーケティングの支援サービスを提供している会社があったとします。
「コンテンツマーケティングをやりませんか?」と伝えるのと、「理想的なクライアントと出会う仕組みを作りませんか?」と伝えるのでは、受け取る側の印象がまったく違います。
伝え方を変えるだけで成果が変わるというのは、実際によくあることです。

3つ目は、オファーが弱いことです。
オファーとは、「相手に行動してもらうためのきっかけ」のことです。
どれだけ良いサービスであっても、「何をきっかけに行動してもらうか」が弱ければ反応は取れません。

たとえば、いきなり「サービスのご説明をさせてください」と伝えるのと、「無料で御社の課題を診断します」と伝えるのでは、相手の心理的なハードルがまったく違います。

業界、訴求、オファー。
この3つのいずれかがズレていると、どれだけ営業活動を頑張っても成果にはつながりにくいのです。

 

BtoBテストマーケティングの本質は「仮説」ではなく「検証」

ここが最も大切なポイントです。

多くの企業は
「この業界に売れるはず」
「この訴求が刺さるはず」
と考えて、営業活動を開始します。

しかし、「はず」で営業しても、ほとんど当たりません。
営業はセンスや勘に頼るものではなく、データで改善していくことで効率化を実現できます。

どの業界からの反応が多かったか。
どの訴求で返信が増えたか。
どのオファーで商談につながったか。
こうしたデータを積み重ねていくことで、「売れる営業パターン」が見えてきます。

特に私たちが提案するるメール営業は、このテストマーケティングとの相性がとても良いです。
電話営業の場合、トークは属人的で改善が難しいのですが、メール営業はデータが残りますし、文面のA案とB案を比較することも容易です。(ABテスト)

何を送って、どんな反応があったかが記録として残るので、チーム全体で知見を共有しながら改善していけます。

また、メール営業は営業経験が少ない社員でも取り組みやすいという特徴があります。
効果的な文面が見つかれば、それを横展開するだけで一定のアポイント獲得率を実現できるのです。

実際にテストを繰り返すことで「この組み合わせが反応がいい」というパターンが見えてくる。
このパターンを見つけることこそが、BtoBテストマーケティングの本質です。

 

成果が出る企業が必ずやっている「3つの検証」

では具体的に、何をどうテストすればいいのでしょうか。
ここでは、成果を出している企業が実践している3つの検証を紹介します。

まずは「ターゲット業界テスト」です。
これは複数の業界に対してアプローチし、どの業界が最も反応するかを検証するものです。
最初から「この業界だけ」と絞りすぎないことがポイントです。
思い込みではなく、データで判断する。
これを意識するだけで、意外な業界から反応が返ってくることがあります。

たとえば、ある企業では当初ターゲットとしていた業界Aではほぼ反応がなかったのに、試しにアプローチした業界Bでは高い反応が得られたという事例があります。
営業力の問題ではなく、単に「市場がズレていた」だけだったのです。

また、あえて業界を絞らずにアプローチを実施して、返答のあった企業の共通項を基にターゲット業界を探していくという方法も効果的です。

次に「訴求テスト」です。

同じターゲットに対しても、メールの切り口や言い回し、価値の伝え方を変えることで反応は大きく変わります。
いわゆるABテストと呼ばれるもので、たとえば今週は「コスト削減」という切り口で100通、来週は「売上アップ」という切り口で100通送り、どちらの反応が良かったかを比較します。

わずかな言い回しの違いで返信率が2倍になることも珍しくありません。
ここは工夫のしがいがあるところです。

ちなみに、訴求テストで大切なのは「一度に変える要素は一つだけ」にすることです。
件名も本文もオファーも全部変えてしまうと、どの変更が効いたのか分からなくなってしまいます。
テストする以上は、比較できる状態をつくることが重要です。

最後に「オファーテスト」です。
反応率を最も大きく左右するのがオファーです。
「無料相談」「無料診断」「モニター募集」「事例紹介」など、いくつかのパターンを試してみて、「何を提示すれば相手が動くか」を検証します。

ここで大切なのは、相手にとってハードルが低く、かつ価値を感じてもらえるオファーを見つけることです。
この3つの検証を回していくことで、再現性のある「売れる営業パターン」が形になっていきます。

 

よくある失敗パターン

テストマーケティングに取り組む際に、陥りがちな失敗パターンもあわせてお伝えしておきます。

まず多いのが、1回のテストだけで判断してしまうケースです。
テストは「複数回やること」が前提です。
1回送って反応がなかったからといって、その業界や訴求がダメだと決めつけるのは早すぎます。

次に多いのが、検証をまったくせずに営業を始めてしまうケースです。
これが一番もったいないパターンです。
時間もコストもかけて営業しているのに、当たるかどうかは運任せになってしまいます。

そして、仮説に固執してしまうケースもよく見られます。
「このやり方が正しいはずだ」と思い込んで、データを見ても方向転換できない。
これでは検証の意味がありません。

もう一つ気をつけたいのが、営業代行会社に丸投げしてしまうケースです。
アポは取れるけど売れない。
こうした状況は、まさに「検証」が抜けている典型例です。

アポ数だけを追いかけても、成約につながるアポでなければ意味がありません。
本当に見るべきは「成約につながるアポかどうか」です。

テストマーケティングは、地道な作業の積み重ねです。
派手さはありません。
でも、この地道な積み重ねこそが、再現性のある営業をつくる唯一の方法だと考えています。

 

私たちもBtoBテストマーケティングで訴求を変更しました

ちなみに、恥ずかしながら私たちも創業当初は売上アップを訴求してアプローチして苦労していました。
メールによるプッシュ型の営業を支援するサービスと打ち出し、売上アップにつながるという訴求で営業活動を実施していたのです。
ただ、メール営業でアプローチできる企業数は全体の20~30%程度で網羅性には欠けるという弱点がありました。

一方、メール営業はプッシュ型でありながらメールの開封率や返信率をデータとして把握することができるという強みがありました。

そこで私たちは訴求を「売上アップ」から「営業の効率化」に変更することにしました。
営業前にBtoBテストマーケティングを実施することによって、私たち以外の営業代行会社にテレアポ等のプッシュ型のアプローチを依頼する際の効果の最大化につながることを強く打ち出したのです。

BtoBテストマーケティングによって、
・ターゲットとするべき業界(会社規模も含む)
・何を訴求すると刺さりやすいのか(売上アップ、コストカット、既存サービスからの乗り換え)
・オファー(無料診断やセミナーへの誘導、代理店販売の提案)
といった情報をデータを根拠に把握することができることを強調することで、クライアントの役に立ちやすく、また他社と比較されずに選ばれやすくなりました。

BtoBテストマーケティングで検証を繰り返すことで、売上アップを訴求した営業ではなく、効率化実現を訴求する営業活動に変わったのです。

BtoBテストマーケティングサービスの資料はこちら

BtoBテストマーケティングはどんな企業に向いているか

BtoBテストマーケティングは、すべての企業に必要というわけではありません。
でも、以下のような状況にある企業には特に効果を発揮します。

まず、営業活動をしているのに思うように成果が出ていない企業です。
この場合、問題は営業力ではなく、アプローチの方向性がズレている可能性があります。
テストを通じて正しい方向を見つけることで、同じ労力でも成果が大きく変わることがあります。

次に、何が原因で営業がうまくいっていないのか分からない企業です。
「とにかく営業量を増やそう」と考えがちですが、量を増やす前にやるべきことがあります。
まずは小さくテストして、どこに問題があるのかを特定することが先決です。

そして、営業代行に依頼したものの成果が出なかったという経験がある企業にも向いています。
営業代行がうまくいかなかった原因は、代行会社のスキルではなく、そもそもの営業設計にある場合が少なくありません。

いずれの場合も、共通しているのは「検証が足りていなかった」ということです。
逆に言えば、検証の仕組みを取り入れるだけで状況が大きく変わる可能性があるということでもあります。

 

営業は「当てる」ものではなく「見つける」もの

多くの企業は、「売れる営業」を最初から当てにいこうとします。

でも実際は、「売れるパターンを見つける」ことのほうが大切です。

最初から完璧な営業を目指す必要はありません。
まずは60~70点ぐらいでいいので実際にアプローチしてみて、反応を見て、改善していくのです。
このサイクルを回すことで、3ヶ月~半年後ぐらいには営業の精度が格段に上がっているはずです。

BtoBテストマーケティングの進め方はシンプルです。
ヒアリングで現状を把握し、仮説を設計し、テストを実施し、データを分析して、改善する。
このサイクルを愚直に回し続けることが成果につながります。

大切なのは、このサイクルを「1回で終わらせないこと」です。
1回テストして終わりではなく、何度も何度も回し続ける。
その過程で「この業界には、この訴求で、このオファーを出すと反応が取れる」という勝ちパターンが見えてきます。

この勝ちパターンが見つかれば、あとはそれを横展開していきます。
業種を少しだけ変えてみる、企業規模を少しだけ変えてみる、地域を変えてみる。
一つの成功パターンを起点にして、営業の幅を広げていくことができます。

ここまでくると、営業はギャンブルではなくなります。
「このパターンで営業すれば、だいたいこれぐらいの反応が取れる」という数字が読めるようになるのです。

売上の見通しが立つ。
これは経営者にとって、何よりも心強いことではないでしょうか。

もし現在、営業がうまくいっていない、何が原因か分からない、営業代行に依頼したけど成果が出ていないといった状況であれば、まずは「営業の検証設計」から見直してみることをおすすめします。

「なんとなくの営業」から「データに基づく営業」へ。
そのための第一歩が、BtoBテストマーケティングです。

 

投稿者プロフィール

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梶田洋平
セールスプロセス株式会社代表取締役
新卒でみずほインベスターズ証券株式会社(現みずほ証券)に入社。
個人・法人営業に従事し、社長賞を獲得。
退社後、企業専門の出版社を設立して代表取締役に就任。
本をはじめとした出版物でB2B×無形商材を扱う企業の売上アップを支援する、コンサルティング型出版サービスで組織を拡大。
その後、培ってきた営業ノウハウと効果的な営業ツール製作の実績を活かして、『売れる仕組み』の構築を支援するセールスプロセス株式会社を創業。
1985年3月27日生まれ。愛知県名古屋市出身。趣味は野球観戦。